「今月ギガが足りなくて、速度制限」「スマホの容量は 128 ギガ」「うちの光回線は 1 ギガ」 どれも「ギガ」なのに、なんとなく別の話をしている気がする。

今月ギガが足りなくて速度制限、スマホの容量は128ギガ、うちの光回線は1ギガ。3つの場面で同じギガという言葉が出てくる
図1:ぜんぶ「ギガ」。でも同じ話ではない

その勘は正しいです。ギガという言葉は、3つの別のものに、同じ名前で貼られています。今回はその3つを、ふんわり区別できるようにしていきます。

ギガは「大きい」という意味しかない

まず、ギガそのものの意味から。

キロ・メガ・ギガ・テラの階段。ギガは10億倍を表す印で、何の量かは後ろの言葉で決まる
図2:ギガは「10億倍」の印。何の量かは、後ろの言葉が決める

ギガは 「10億倍」を表す印 です。キロが千倍、メガが百万倍、ギガが十億倍、テラが一兆倍。階段のように大きくなっていきます。

  • キロバイト(KB) … 千バイト
  • メガバイト(MB) … 百万バイト
  • ギガバイト(GB) … 十億バイト
  • テラバイト(TB) … 一兆バイト

※バイトは、データの量を数える基本の単位です。

大事なのは、ギガだけでは「何の量」なのか決まらない ことです。ギガメートルなら長さ、ギガバイトならデータの量。後ろの言葉が変わると、まったく別のものになります。

日本のスマホの世界では、後ろの単位を省いて「ギガ」だけで呼ぶ習慣が広まりました。その結果、別々の3つのものが、全部「ギガ」と呼ばれる ようになっています。

① データの通信量を表すギガ

月末にスマホへ「残り 1 ギガです」と通知が来る、あのギガです。月に使える通信の量 のことです。

データの通信量のギガ。月ごとに決まった量があり、モバイル通信を使うと減っていく
図3:データの通信量=月ごとの枠。使うと減る

これは、1か月にモバイル通信でやり取りできるデータの量 です。プランの画面に「20GB」と書いてあれば、20 ギガバイトぶんまで電波塔経由で通信できる、という契約の枠です。

  • 減るのは、電波塔からの電波(モバイル通信)を使ったときだけ。Wi-Fi につながっているあいだは、基本的に減りません(くわしくは Wi-Fi とモバイル通信)
  • 使い切っても、通信が止まるわけではありません。急に遅くなる「速度制限」の状態になります
  • 多くのプランでは、月が変わると枠が元に戻ります

身近な例で言うと、外で動画を1本見れば、そのぶん残りの通信量が減ります。

② データを保存しておける容量を表すギガ

写真を撮ろうとして「空き容量がありません」と出る、あのギガです。スマホの箱に書いてある「128GB」も同じもので、本体に保存できる量 のことです。

データを保存しておける容量のギガ。スマホ本体にしまえる写真や動画の量で、通信とは無関係
図4:データを保存しておける容量=本体にしまえる量。通信とは関係ない

これは、スマホやパソコンの本体にしまっておけるデータの量 です。写真、動画、アプリ、ダウンロードした音楽などが、ここに置かれます(この場所の話は ストレージ でくわしく)。

スマホの容量が「128GB」というのは、128GB ぶんの写真や動画やアプリなどを本体に保存できる、という意味です(正確には、スマホを動かす仕組みなども、この中に含まれています)。

つまりは、動画を本体に保存すれば、そのぶん「空き」容量が減ります。

③ データの通信速度を表すギガ

光回線の広告に「最大 1 ギガ」と書いてある、あのギガです。量ではなく 速さ のことで、3つの中でいちばん紛らわしいところです。

データの通信速度のギガ。1秒間に流せる量を表し、単位はビット。GBとは別の単位
図5:データの通信速度=データが流れる速さ。単位が違う

これは、1秒間にどれだけのデータを流せるか という速さです。量ではなく速さなので、通信量や保存しておける容量とは種類が違います。

さらに、単位まで違います。光回線の広告をよく見ると「1GB」ではなく「1Gbps」と書いてあります。bps は「ビット毎秒」で、GB と似ていますが別の単位です。

  • データの通信量や保存容量の単位は バイト(GB)
  • データの通信速度の単位は ビット毎秒(bps)。1Gbps は毎秒 10 億ビット

1バイト=8ビット なので、「1Gbps」を GB で言い直すと 1秒に最大 0.125GB(約 125MB)です。ついでに言うと、100Mbps は1秒に最大 0.0125GB(約 12.5MB)です。この辺りは、へ〜くらいに思っておいてください笑

身近な例で言うと、通信速度が速いほど、動画が止まらずに流れます。実際にどのくらい出ているかは、ネットが遅い、悪いのは誰? で触れたスピードテストで確かめられます。

3つのギガを区別する

3つを並べると、こうなります。

3つのギガを並べて区別する。データの通信量、データを保存しておける容量、データの通信速度
図6:3つのギガ、数えているものが違う
  • データの通信量(GB)… 1か月にやり取りできるデータの量。プランで決まっていて、使うと残りが減り、月が変わると戻る
  • データを保存しておける容量(GB)… 本体にしまっておけるデータの量
  • データの通信速度(Gbps)… データが流れる速さ(1秒に流せる量で表す)。混む時間に下がることはある

どれも「ギガ」で数えますが、指しているものは別です。混ざりやすいので、分けて考えましょう。

📝 「ギガが足りない」と言われたら、どのギガか聞き返す

「今月の通信量が足りないの? それとも本体の容量がいっぱいなの?」

前者なら Wi-Fi につなぐか、プランを見直す話です。後者なら写真や動画を整理するか、外に逃がす話です。対処がまったく違うので、ここを確かめるだけで話が早くなります。

まとめ

ギガの3つの意味、これ1枚で
図7:ギガの3つの意味、これ1枚で

ふんわり理解チェック

  • ギガは「10億倍」の印。何の量かは後ろの言葉で決まる
  • データの通信量=月ごとに決まっていて、モバイル通信で減る
  • データを保存しておける容量=本体に写真や動画をしまう量で、通信とは無関係
  • データの通信速度=データが流れる速さで、単位はビット毎秒(bps)
  • どれも「ギガ」で数えるが、指しているものは別

「ギガ」がどの意味で使われているのかを知っておくと、次に聞いたときに、どの話かを自分で判断できます 🌱

(もっと知りたい方へ。データの通信量に関しては Wi-Fi とモバイル通信、データの保存容量に関しては ストレージの記事、データの通信速度に関しては ネットが遅い、悪いのは誰? をどうぞ)