「5G って、速いんでしょ?」「契約は 5G なのに、画面には 4G って出てる」「5G に変える意味、ある?」 名前はよく聞くのに、何が変わったのかは意外と説明しにくい言葉です。

5Gって速いんでしょ、契約は5Gなのに画面は4G、5Gに変える意味ある、と迷っている場面
図1:よく聞くのに、何が変わったのかは説明しにくい

今回は、4G と 5G の違いを、「何が変わったのか」と「なぜ届く場所と届かない場所があるのか」の2つから見ていきます。

Gは「世代」という意味

G は Generation(世代)の頭文字です。携帯電話の通信の仕組みが大きく変わるたびに、数字が1つ上がってきました。

1Gから5Gまでの世代の階段。通話だけ、メール、データ通信、動画、そして5G
図2:数字が上がるたびに、できることが増えてきた
  • 1G … 通話だけ。音声をそのまま電波に乗せていた
  • 2G … メールが送れるようになった
  • 3G … データ通信が速くなり、写真や音楽をやり取りしやすくなった(日本の 3G は 2026年に終了しました)
  • 4G … 動画をなめらかに見られるようになった。スマホが本格的に広まった世代
  • 5G … いちばん新しい世代。日本では2020年に始まった

数字が上がるたびに、速さと、同時につなげられる数 が増えてきました。4G と 5G の違いも、この延長にあります。

5Gで変わった3つ

5Gで変わった3つ。速い、遅れが少ない、同時にたくさんつながる
図3:速い・遅れが少ない・同時にたくさんつながる
  • 速い … 同じ動画でも、読み込みの待ち時間が短くなる
  • 遅れが少ない … ネットを通じて操作を送り、反応が返ってくるまでの時間を短くできる。オンラインゲームやビデオ通話などで役立ちます。ただし、効果は通信設備やサービスにも左右され、対応する仕組みはまだ広がっている途中です
  • 同時にたくさんつながる … センサーや機械など、たくさんの機器を同時につなぐための仕組み。これからの用途向けです

わたしたちが普段の生活で感じるのは、主に1つ目(高速・大容量)です。人が集まる場所でつながりやすくなるのも、運べる量が増えて混雑に余裕ができた、1つ目の延長です。

なぜ速いのか。使える電波の「幅」が違う

ここが、この記事でいちばん大事なところです。

低い周波数は遠くや建物の中に届きやすく、高い周波数は届きにくい傾向がある。高い周波数帯では広い幅を確保しやすい。5Gは低い周波数も使う
図4:周波数によって、届き方や確保しやすい幅が違う

電波には「高さ」(周波数)があります。5G は、4G では使っていなかった 高い周波数の電波 を使えます。

ここで、電波の「高さ」と、通信に使える「幅」は別のものです。5G が高速になる大きな理由のひとつは、広い幅を使って、一度にたくさんのデータを運べること です。

5G で新しく使う高い周波数帯には、次の特徴があります。

  • 広い幅を確保しやすい。一度に運べるデータの量を増やしやすい
  • 遠くや建物の中には届きにくい傾向がある。届く範囲を広げるには、基地局の配置などの工夫が必要

つまり、「高い電波だから必ず速い」のではなく、広い幅を使いやすい一方で、届き方には注意が必要 という関係です。

4G は、遠くや建物の中にも届きやすい低い周波数帯などを使い、今も全国の通信を支えています。ただし、4G も 5G も複数の周波数帯を使います。5G が低い周波数を使う場所もあり、世代だけで速さや届く範囲は決まりません。

契約は5Gなのに、4G表示になる理由

5G契約でも、電波状況や設定・省電力によって4Gを使うことがある。4G表示だけで故障とは限らない
図5:電波状況や設定・省電力によって、4Gを使うことがある

スマホは、電波の状況やネットワーク側の制御、端末の設定に応じて、使う通信を切り替えます。5G が届かない場所だけでなく、届いていても 4G を使うことがあります。

  • 建物の奥、地下、郊外では 5G の電波が届きにくく、4G 表示になりやすい
  • スマホの設定や省電力の仕組みで、5G が届いていても 4G を選ぶことがある
  • 4G 表示だけで、故障や契約の間違いとは限らない
  • 4G に切り替わっても、通信が止まるわけではない

「5G 契約なのに 4G」と出たら、電波の届き方と、スマホの設定・省電力の両方 が関係する、と考えておけば大丈夫です。図の「5G オート」は iPhone の設定例で、設定名や動作は機種によって異なります。

5G表示なのに、速くないことがある

4Gで使っていた周波数帯を5Gに転用しても、使える幅が大きく増えるわけではない。通信方式は5Gだが、速さが大きく変わらないこともある
図6:4Gと同じ周波数を使う5Gは、速さが大きく変わらないこともある

もう1つ、ややこしい話があります。docomo・au・SoftBank の3社は、もともと 4G で使っていた周波数帯の一部を、5G 用に切り替えて使っています。

こうした場所でも、通信の仕組みは本物の 5G です。ただ、周波数帯を転用するだけで使える幅が大きく増えるわけではないので、速さが 4G と大きく変わらないこともあります。5G のエリアを早く広げるための方法で、間違いではありません。ただ、「5G 表示=速い」とは限らない理由のひとつがここにあります。

4Gと5Gを区別する

4Gは全国に広がる通信の土台。5Gは広い幅を使える場所で高速・大容量を実現し、低い周波数も使う。届く範囲や速さは周波数・設備・環境で変わる
図7:4Gと5Gは、表示だけで速さを判断できない
  • 4G … 全国に広がる通信の土台。動画やネットを使える。低い周波数帯を含む、複数の周波数帯を使っている
  • 5G … 広い幅を使える場所では高速・大容量を実現する。低い周波数も使い、届く範囲や実際の速さは周波数・設備・環境によって変わる

📝 「5G 表示かどうか」より「その場所で速いか」

5G の表示は「その場所で 5G を使える見込みがある」という意味で、「速い」を約束するものではありません。遅い原因には、混雑や電波の状況もあります。遅いと感じたら、表示よりも、その場所で 4G と 5G のどちらが安定するかを見たほうが役に立ちます。

まとめ

ふんわり理解チェック

  • G は世代。数字が上がるたびに、速さと同時につなげられる数が増えてきた
  • 5G で変わったのは、速い・遅れが少ない・同時にたくさんつながる の3つ
  • 5G の速さを支える理由のひとつは、使える幅の広さ。高い周波数帯は広い幅を確保しやすい一方、遠くや建物の中に届きにくい傾向がある
  • 5G 契約でも、電波状況や設定・省電力によって 4G を使うことがある
  • 4G の周波数帯を 5G に転用しても、使える幅が大きく増えるわけではなく、速さが大きく変わらないこともある

4G と 5G の違いを知っておくと、画面の表示に振り回されずに、その場所で何が起きているかを自分で判断できます 🌱

(データの通信速度に関しては ギガってなに?、電波塔とスマホの関係は Wi-Fi とモバイル通信、回線を借りる仕組みは 格安SIMってなに? をどうぞ)