「コンセントに挿すだけで Wi-Fi が使えるって、本当?」「ルーターとホームルーターって、同じもの?」「光回線と何が違うの?」 広告でよく見かけるのに、仕組みまでは書かれていないことが多い機器です。

挿すだけでWi-Fiが使えるって本当、ルーターと同じもの、光回線と何が違うの、と迷っている場面
図1:よく見かけるのに、仕組みは知らない

今回は、ホームルーターが何をしている機器なのかを見ていきます。仕組みが分かると、工事がいらない理由も、光回線との違いも分かります。

ホームルーターってなに?

ホームルーターは、スマホと同じ電波を受けて、家の中で Wi-Fi に変える機器 です。

電波塔の電波をホームルーターが受け、家の中にWi-Fiで配る
図2:電波塔の電波を受けて、家の中に Wi-Fi で配る

外から順に並べると、こうです。

  • 街の電波塔から、スマホと同じ電波(4G や 5G)が飛んでくる
  • ホームルーターが、その電波を受け取る
  • 受け取ったデータを、家の中のスマホやパソコンに Wi-Fi で配る

「ルーターとホームルーターは同じもの?」の答えは、こうです。ホームルーターも、ルーターの仲間です。違うのは、外とのつながり方です。ふつうのルーターは、光回線などのケーブルにつないで使います。ホームルーターは、電波を自分で受けます。

ちょっと雑学:モバイルルーターとテザリングも同じ仕組み

持ち運べる小さな機器(モバイルルーター)や、スマホのテザリングも、「電波を受けて Wi-Fi に変える」という点では同じ仕組みです。ホームルーターは、それを家に置いて使う形にしたものです。

なぜ工事がいらないのか

光回線はケーブルを引くので工事が要る。ホームルーターは電波を受けるので工事がいらない
図3:ケーブルを引かず、電波で届く

光回線は、家まで実際にケーブルを引くので、ケーブルが来ていない家では工事が要ります。

ホームルーターは、光回線と違ってケーブルを引かず、電波でネットが届きます。ケーブルを引く必要がないので、「コンセントに挿すだけで使える」は本当で、機器が届けば、かんたんな初期設定だけで使い始められます。ただし、電波が届く場所であることが前提です。コンセントの電気で動くので、停電中は使えません。

引っ越しのときも、工事は要りません。機器を持っていき、住所変更の手続きをします(契約した住所で使う決まりになっている会社が多いためです)。引っ越し先が電波の届く場所かどうかは、先に確かめておく必要があります。旅行先などへ一時的に持ち出して使うことは、できない会社が多いです。

光回線と同じように使えるのか

通信速度が安定しにくい3つの理由。電波の混雑、壁や建物、大量利用時の制限
図4:ふだんの使い方はできる。通信速度の安定性は違う(※少し極端な例も含みます)

動画、ビデオ会議、ネットの買い物といった一般的な使い方は、平均的なホームルーターなら通信速度が足ります(オンラインゲームなど、用途によっては制約があります)。違うのは、光回線と比べると、通信速度が安定しにくい ことです。住んでいる場所や時間帯によっては平均を大きく下回り、特に、写真や動画を送るときに差が出ます。

理由は、電波を使う仕組みそのものにあります。

  • 電波は、地域のスマホと分け合っている。近くで使う人が増える時間帯は、通信速度が落ちやすい
  • 電波は、壁や建物でさえぎられると弱くなる。住んでいる場所や建物によって、通信速度が変わる
  • 短い期間に大量に使うと、混み合う時間帯に通信速度を抑えられることがある。電波はみんなで使うものなので、多くの会社がこの決まりを設けている

光回線も、途中は近所と分け合っているので、夜は遅くなります。ただ、家まではケーブルで届き、運べる量ももともと大きいので、使い心地に出にくくなっています。つまり、ホームルーターの「工事がいらない」と「通信速度が変わりやすい」は、電波で届いている、という同じ理由から出ています。

光回線との違い

ホームルーターと光回線を、届き方・工事・通信速度の安定で比較
図5:違いは3つ。届き方・工事・通信速度の安定

図に並べた3つの違いは、別々の話ではありません。工事が必要かどうかや、通信速度の安定性は、どちらも 「届き方」の違いから来ています。

ホームルーターは、ネットが電波で届くので、ケーブルを引く 工事が不要 です。その代わり、電波は周りの状況に左右されるので、通信速度が変わりやすく なります。

光回線は、ネットが光ケーブルで届くので、ケーブルが来ていない家では 工事が要ります。その代わり、周りの状況に左右されにくく、通信速度が安定しやすく なります。

つまり、手軽さと安定は、どちらかを取ると、もう一方を手放す関係 にあります。

どんな人に合うか

ホームルーターが合う人と、光回線が合う人を並べた図
図6:手軽さを取るか、安定を取るか

ホームルーターが合う人

  • 建物の事情で、光回線の工事ができない
  • 申し込んですぐ使いたい(光回線は、使えるまで数週間かかるのが普通)
  • 引っ越しが多い(機器を持っていき、住所変更の手続きをする)

光回線が合う人

  • オンラインゲームをする
  • 大きなファイルを送ることが多い
  • 通信速度の安定を優先したい
  • 長く住む予定がある

どちらも、短い期間でやめると、機器の代金や工事費の残りを請求されることがあります。契約の前に確認しておくと安心です。

どちらが良い・悪いではなく、手軽さと安定のどちらを優先するか の違いです。自分の使い方に当てはめて選ぶのが、いちばん確実です。

まとめ

ホームルーターの要点を1枚にまとめた図
図7:ホームルーター、これ1枚で

ふんわり理解チェック

  • ホームルーター=スマホと同じ電波を受けて、家の中で Wi-Fi に変える機器
  • ホームルーターもルーターの仲間。ふつうのルーターはケーブルにつないで使い、ホームルーターは電波を自分で受ける
  • 工事がいらないのは、ケーブルを引かず、電波で届くから
  • 光回線と比べると、通信速度が安定しにくい。電波は分け合うもので、壁や建物にさえぎられるから
  • 手軽さを取るならホームルーター、安定を取るなら光回線

ホームルーターが何かを知っておくと、「挿すだけ」の手軽さと引き換えになるものが分かるので、自分の使い方に合うほうを選べます 🌱

(家までケーブルを引く仕組みは 光回線ってなに?、電波の届きやすさの話は 4Gと5Gってなに?、家の中で配る機器の話は ルーターってなに? をどうぞ)